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遠野未来
遠野未来
Tono Mirai
Architect
東京・神田のビルに住んで家族が体調を壊し、そこを安らげる場に改装する過程で土や木などの自然素材に出会う。
以後、その土地に根ざした自然素材を用い、土に還るやわらかな空間=いのちの建築をめざして全国各地で設計・空間づくりを行っている。

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■建物の向きについて・・・なぜ南向きがいいのか?
 ●専門家サイトAllAboutで建物の向きは南がいいのか?というQにお答えしました。

 お答えと同時に「遮熱」と「集熱」という「パッシブデザイン」の考え方の整理にもなっているのでご紹介させて頂きます。 広島の方のご質問でした・・・
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 建物の向きは人の好みもありますが、これからの省エネ、自立循環型住宅の概念を踏まえ、一般的な「採光」とは異なる開口部の「遮蔽」と「集熱」という概念をデータでご説明します。

 それは太陽光を単なる「光」と考えず、「熱」として有効利用する考え方です。「パッシブデザイン」というのはその他、風の流れなども含めた自然エネルギーを活用する考え方で、これからの時代に冷暖房負荷を減らすために有効で、これからの日本で取り入れられてゆくことが望まれます。


 広島は国土交通省の断熱区分では比較的温暖な鶤地域、一部で鶚地域です。

 開口部に当たる日射量は方位によって異なり、夏期日射所得係数(μ値)を計算するときに用いられる「方位係数」に準じます。鶤地域の場合東・西 0.45、南0.39,東南・南西0.45,北0.24,北東・北西0.34。

(鶚地域の場合もこれに準じます)


 数値が大きいほど日射が入るという意味ですので、実は南より東・西・南東・南西の方が日射が多いということがわかります。

 遮蔽上はその面の開口部を小さくすることが有利です。あるいは遮蔽効果の高いブラインドなども有効です。


一方、日射熱を利用の観点からは、特に冬に窓から取り入れた熱を熱容量の大きい土壁やタイル、土間等に蓄熱させ、外に逃さず室温の温度変化を穏やかにし、冬でも部屋を暖かくする工夫が考えられます。

 この考えでは集熱効果がある開口部は真南±30度が条件となっています。更に効果的な範囲は真南±15度です。


 以上をまとめると、建物を真南から角度をつけると南東・南西に面する開口部が大きく「夏熱く」なり、建物が東西に長いほうが南面開口部からの日射量が増えるため、暖房負荷が小さくなり「冬暖かく」なります。


 現在の計画のお住まいは東西に長い長方形ということですので、できるだけ真南から振らないほうがいいでしょう。

また、東からの日を入れるのは、東側に寝室を持ってきてさほど大きくない開口を設けるといいと思います。リビングは南に面しているようですので、計画通り大きな開口を取り、あとは地域の風の向きを考慮した通風を考慮されるといいでしょう。ダイニング・キッチンの北側、吹抜けなどがあれば上方など。


 以上の考え方は、開口部の断熱性と建物の一定の気密性が確保されていることが条件なので、工務店さんとコストを含めてご相談されるといいと思います。


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 以下の私の事例が、ご参考になれば幸いです。


 私は土壁の蓄熱性と調湿性に注目し、デザイン的にも現代住宅に似合うかたちでの活用を提案しています。

土壁も様々な方法がありますが、コスト的に合わせたやり方で例えば100万円程度のアップで、健康を含めた本当に心地よい空間が作れます。長期にわたる冷暖房コストを考えると、十分費用対効果があるものです。わからないことが有りましたら、お気軽にご相談ください。

 


■土の建築・土壁・左官 | comments(0) | trackbacks(0)
■版築ロケットストーブ 脱型
 ●去年11月にワークショップで行った版築ロケットストーブの中間報告です。
 WS当日は試行錯誤でしたが、思ったより土の層の表情がきれいに出ています。
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 現在外側の型枠のみ脱型し、養生中です。
長野のこの場所の気温が現在マイナスとのことで作業をしても凍る可能性が大きいため、ここから上の方は3月以降暖かくなってから再開したいと思います。
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 一番下の層がまだ乾いていないようです。湿気が下に行くことと、当日雨だったことも関係あるかもしれません。黒っぽい層は、砂利です。
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 角の面取りもきれいにできているようです。
WSにご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました。

 今後外枠を再度組み、あと350mmほど上に継ぎ足す予定です。
作業再開時またご報告させて頂きます。完成をお楽しみに。
■土の建築・土壁・左官 | comments(0) | trackbacks(0)
■「もったいない」じゃなくて・・・
● 昨日、自分が参加している震災復帰も支援しているHOSPという会合に出席しました。 その中で地元の資材を活用した復興のまちづくり「もったいない」タウンという構想をしているという話があった時、参加者の方が地元ならではの「もったいない」ということばの言い方があるのではないか、それってものすごく重要な事だから・・・といわれ、調べてくださいました。

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 「いたましい」・・・・

 そうだ、これだ!・・・。自分が育った仙台では確かにこう言っていた。それが仙台弁でなまって「いだまじい」って感じの言い方だったけど。
 自分は「もったいない」に何かネガティブな印象を感じて好きではなかった。「もったいない」って言うのなら自分は「ありがたい」って言おうと思っていた。

 「いたましい」

 これほど東北の人がすべてのことに感謝するストレートな言葉ってないと思う。この言葉を使う東北に生まれてよかった・・・・

 これから、この美しい言葉、自分で使いたいと思います。
■土の建築・土壁・左官 | comments(0) | trackbacks(1)
■神田SU模型・・・建築にとって何が最後まで残るか?
 ●現在、4月から海外で行われるある展覧会に参加する予定です。
出品する模型を検討していて、しまってあった神田SUの模型に6年ぶりに再会。

予想以上にきれいに保管されていました。当時のスタッフへの感謝と共に、いろんな想いが湧いてきました。
 この模型にどんな想いがこめられているか・・・
 いつも設計は模型をつくってスタディしますが、この模型だけはつくれませんでした。何回模型をつくってもイメージをかたちに出来なかった・・・。自宅ということもあり、現物を先につくることに。その場でつくりながらできていった空間です。
 
 この模型は2004年にリフォーム展で最優秀賞を頂いたときに展示用につくったもの。忠実にかたちを再現しています。
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 上から見るとこんなかたちをしています。絶対に絵や机の上からは生まれないかたち・・・。頭で考えてできたものではなく、身体でつくった空間。
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 模型で竹ひごでつくられているのは、実際は鉄筋。縦横無尽に鉄筋が天井に張り巡らされています。
 自分にとって土を使った初めての建築ですが、つくるとき「土壁=竹小舞」とは全く考えませんでした。最初から直感的に「竹は現代的なこの空間の雰囲気に合わない。」と思ったからです。
 
 その後自分も自然素材をいかに使うかの経験を重ね、今だったら細い女竹(篠竹)を有効に使うかもしれません。

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 現在も見学の問い合わせがあるのですが、残念ながらもうこの空間は現存しません。

     建築にとって何が最後まで残るのか?・・・

 自分にとって模型は、単なる建物のミニチュアではありません。
 建物ができたら模型は必要ないと壊してしまう設計者もいるでしょう。しかし、このように実際の空間以上に長く残る模型もあります。

 自分にとって、模型は自分がつくる建築の「精神と思想」です。
■土の建築・土壁・左官 | comments(0) | trackbacks(0)
■みらいのいえ・・・と鳥
 ● 先日の撮影で屋根に鳩が来ていました。
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 塗り壁の時もつばめが来てくれました。幸せを運んでくれるそう。・・・

建て主様はじめ関わられた皆様の、末永きご多幸をお祈りしています。
■みらいのいえ  | comments(0) | trackbacks(0)
■土壁の家・・・土プロって?
● 断熱性を向上させ、モダンな洋風の大壁の家=現代の土の家をつくろうと、アトリエDEFさんとご一緒させていただいている「土壁プロジェクト」=「土プロ」です

 今年は土の実験棟をつくり、温熱測定を行う予定・・・
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 先日の「住む。」の取材の時にみらいのいえにお越しいただいた時の様子をblogにアップしていただいています。

 http://tsuchikabe.a-def.com/archives/201201-1.html

 DEFさんのところに、問い合わせ、依頼など反響がじわりと来ているよう・・・
 
 データを取りながら、着実に「現代の土の家」を広めていきたいと思っています。
■土の建築・土壁・左官 | comments(0) | trackbacks(0)
■軽井沢計画・・・冬の軽井沢へ
 ●現在設計をさせていただいている、軽井沢の別荘計画。
昨日は植生と伐採方針を検討に住木医さんに敷地を見て頂きました。
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 夏はほとんど陽が入らないほど森のようなこの場所も、カラマツなど落葉樹が多く冬だとかなり陽が差し込んでいました。
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 100坪弱の敷地に建ぺい率、容積率とも20%という厳しさ。15坪しか建てられない中、隣接する水路をの様子をどう取り込むか・・・・そのあたりがポイント。
 テープは建物に当たるか、日照確保に間引いたほうがいいと思われる木。
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 一本も切らずに建物を建てたいのが理想ですが、狭い土地のためそれではほとんど陽が入らなくなってしまう。木の命を丁寧に扱いながら、森全体を考え、最低限伐採を検討する必要があるという結論になりました
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 境界杭が土の中に埋もれています。この葉が土となって行く・・・

 現在最初の計画案を検討中。これから概算見積もりを出して頂きます、実現へ向け粘り強く行きます・・・
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■明日はもっといいものに・・・今井兼次スケッチ
 ●昨日、教えている大学の授業で今井兼次氏の絵日記を初めて実見。
圧倒されました・・・
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 年初めの授業ということで、ご一緒している石川恒夫先生の計らいで文化財級の70年前の絵日記を特別に公開。
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 今井先生は第二時大戦の前後8年にわたり毎日絵日記を付け、一月で一冊、計80冊近く残されているという。
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 ガウディとシュタイナーを日本に紹介し、自分が思うに日本建築史上最も絵が上手い建築家。芸術としての建築を貫いた彼の生き方。今生きていたら・・・と思わずにはいられない。
 
 職人さんとの共同。自分も建築の職人であると・・・。
そしてガウディと一緒で、一緒に製作している職人さんに毎日帰り際「明日はもっといいものにしよう。」と声をかけ、労をねぎらったという。

 身が引き締まる思いがしました。

 
■建築 | comments(0) | trackbacks(0)
■みらいのいえ・・・木製サッシュと北側の窓について
 ●先日の雑誌の撮影のとき、現在一緒に土壁プロジェクトをさせていただいている長野の工務店アトリエDEFさんも来ていただき、長野と三浦の違いも含めた木造住宅のあり方を色々興味深いお話を伺えました。

 木製サッシュについて・・・
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 写真はみらいのいえの南側です。この家は、一軒全て木製サッシュです。コスト的にすべてつけられない場合、一般的には見栄え上南側に付けたくなりますが、本来結露を考えると北側こそ木製サッシュにすべきということです。
 
 長野の寒冷地でコスト的に止むを得ず北側をアルミサッシュにした場合は、しっくいで内壁を仕上げても入居1年目はしっくいの壁が水分を持っていることもあり、サッシュ周りに結露することが多い。しっくいが乾く2年目以降はその現象は少ないそう。

 自分も現在寒冷地での計画をしているので、勉強になりました。
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 北側の家族室・スタディコーナー。地窓と中央の窓。中央の窓は全開放の引き込みになる。なぜ北側に窓がたくさんあるのか?
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 それは、南側のテラス窓を開けた時、北側のこの2つの窓から風を入れるためです。
北側の窓にも役割があるのです。

■みらいのいえ  | comments(0) | trackbacks(0)
■泥の絵・・・淺井裕介さんの作品
 ●今日、かねてから見たかった「泥」で絵を描く作家 淺井裕介さんの作品を初めて東京都現代美術館(MOT)で見てきました。

「泥」でこんなことができる・・「土」を使った現代作品の登場にうれしくなりました。

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「泥の絵」。原始的で緻密、そして物語性のある大きな絵。

 写真では平面的に見えるものの、実際見ると色土のもつ透明感、土着性、息使い・・・が奥行きを生んでいました。その物語性のある絵と相まって、絵でしか表現できない世界が構築されていて素晴らしかったです。
 
 イメージあふれるこどもたちの頭の中は、様々な植物や動物が飛び交い、こんな風にできているのではないか・・・自分でもいろんなイメージが沸き上がってきて、久々に心を揺さぶられる作品に出会いました。

 MOTでの今回の展示は残念ながら今日で終わりですが、今年も様々な場所で展示が予定されています。淺井さんの今後のご活躍を楽しみにしています。

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