● OYAKI FARM やバイオトイレタンク棟では外壁を木で仕上げる時、木の生えていた原風景の記憶を想起させるよう板を「縦貼り」にしました。
木の板の縦貼りと横貼り、どちらが雨仕舞がよいか?
建築的にはよく議論になりますが、それぞれ一長一短あり、適材適所で決めていくしかないと思います。
● 九鬼周造「いき」の構造と縦縞(たてじま)
ところで名著「いき」の構造によると
横縞より縦縞のほうが「いき」である といえる。
とあります。
九鬼氏によるその分析が素晴らしいのですが、いくつかを抜粋でご紹介すると
・横縞よりも縦縞の方が平行線を平行線として容易に知覚させるということがあるであろう。
・縦縞にあっては二線の乖離的対立が明晰に意識され・・・
・横縞は左右に伸びて場面の幅を広く太く見せ、縦縞は上下に走って場面を細長く見せる。
・・・
・要するに横縞よりも縦縞のほうが「いき」であるのは、平行線としての二元性が一層明瞭に表れているためと軽巧精粋(けいこうせいすい)の味が一層多く出ているためであろう。
とあります。
この他に
縦縞へは重力とともに落下する小雨や「柳条」(りゅうじょう。柳の枝の意)の軽味がある
と。
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大地の水平性を意識しながら、縦縞を考えることには深い意味や世界がありそうです。
Posted by 遠野未来 at 06:31 | ■建築 | comments(0) | -