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■縦貼りの木板 縦縞といきの構造/ Vertical wood wall and structure of ‘IKI’

 

● OYAKI FARM やバイオトイレタンク棟では外壁を木で仕上げる時、木の生えていた原風景の記憶を想起させるよう板を「縦貼り」にしました。

 

木の板の縦貼りと横貼り、どちらが雨仕舞がよいか?

建築的にはよく議論になりますが、それぞれ一長一短あり、適材適所で決めていくしかないと思います。

 

● 九鬼周造「いき」の構造と縦縞(たてじま)

 

ところで名著「いき」の構造によると

 

 横縞より縦縞のほうが「いき」である といえる。

 

とあります。

 

九鬼氏によるその分析が素晴らしいのですが、いくつかを抜粋でご紹介すると

 

・横縞よりも縦縞の方が平行線を平行線として容易に知覚させるということがあるであろう。

・縦縞にあっては二線の乖離的対立が明晰に意識され・・・

・横縞は左右に伸びて場面の幅を広く太く見せ、縦縞は上下に走って場面を細長く見せる。

・・・

・要するに横縞よりも縦縞のほうが「いき」であるのは、平行線としての二元性が一層明瞭に表れているためと軽巧精粋(けいこうせいすい)の味が一層多く出ているためであろう。

 

とあります。

 

この他に

 

縦縞へは重力とともに落下する小雨や「柳条」(りゅうじょう。柳の枝の意)の軽味がある

 

と。

 

====

 

大地の水平性を意識しながら、縦縞を考えることには深い意味や世界がありそうです。

 

 

 

Posted by 遠野未来 at 06:31 | ■建築 | comments(0) | -

■安井昇さん 防耐火建築セミナー 無垢の木の建築設計で言ってはいけないこと。/ Fireproof construction seminar

 

●8/5に長野建築士会主催の伝統建築改修講座の一貫で防耐火建築設計の第一人者 安井昇さんのセミナーに参加しました。

 

 安井さんには中規模木造のOYAKI FARMでも防耐火設計のコンサルティングをしていただきました。

 

 これまで何度もセミナーでお話を伺っていますが、何度聞いても新しい発見があり、この日も安井さんの時折ジョークも交えた軽妙な語りで6時間飽きさせず、最新情報も交えた大変素晴らしいセミナーでした。

 

もし木造建築の設計をされている方でお聞きになったことがない方には、ぜひおすすめします。

 

● 木造建築の燃え方と防耐火設計

 

丸一日、様々な火災実験の動画を見せていただきながらお話を伺いましたが、一点強調されていたことがあり、ご紹介させていただきます。

 

私もイメージ的に勘違いしていたのですが、

 

 「無垢の木で建物をつくったら毒性のあるガスは出ない。」というのは間違いです。

 

という点です。

 

 火災が発生した煙には有毒な一酸化炭素(CO)が含まれ、それを吸い込むと死に至る危険性があります。

消防庁によると火災による死因の約 4 割が CO 中毒であるというデータがあるとのことです。

 

これは無垢の木を使っているから防げるわけではないこと。

 

これを肝に命じ、「火を出さない」から「火災で倒れない」まで防耐火設計を行い安全な建築設計を

徹底して行く必要があります。

 

以下、安井さんによる防耐火設計のポイントをご紹介させていただきます。

 

皆様、お一人でも多くの方の命を守ることができますことを願って、

ぜひどうぞよろしくお願いします。

 

====

 

1 火を出さない[出火防止]

2 火災を早く見つける[早期発見]

3 火を消す[初期消火]

4 火災を閉じこめる[区画化]

5 煙から守る[煙制御]

6 逃げる[避難安全]

7 消防隊に助けてもらう[消防支援]

8 災害弱者を守る[弱者対応]

9 火災で倒れない[倒壊防止] [都市火災抑制]

Posted by 遠野未来 at 14:54 | ■建築 | comments(0) | -

■生命体のメタモルフォーゼ 生命体としての建築 / Metamorfoze in architecture

 

●セミが付加する瞬間を初めてみました。

夜、事務所の郵便受けに宿っていました。

 

恐ろしいほどの神々しさでした。

 

■生命体としての建築

 

通常はこれと建築は関係ないですむところですが、「生命体としての建築」を

テーマにする当事務所としては、まさしくイメージの原型として大きく心に刻まれる瞬間でした。

 

「生物が孵化し、成長し、変化する。」そのような建築ができたら・・・と思っています。

 

 建築は単なる箱であって動かないものでしょうか?

生きていないのでしょうか?

 

自分はそう思いません。

 

 学生時代から「孵化する」ものをつくりたいという思いがずっとあります。

それが当事務所の作品に反映されているのではと思います。

Posted by 遠野未来 at 11:42 | ■建築 | comments(0) | -

■ガウディとシャクナゲ ガウディの伝言 / Gaudi and Rhododendron message from Gaudi

 

●サグラダ・ファミリアの主任彫刻家 外尾悦郎さんの著作「ガウディの伝言」は

つくりて側からの視点で、心が動かされる内容が多々あります。

 

芸術とは?幸せとは?自己犠牲とは?職人さんと建築の相互の関係、人との共同、自分を無にすること・・・。

建築の設計においても7.5を基準にそれらの3,4,5の倍数を基準につくられている寸法体系など読みどころ満載です。

 

その中でサグラダ・ファミリア柱が下から上に多角形が徐々に増え、細くなってゆく柱を例に

ガウディがどうやってその造形を思いついたのか?という点に単なる彼の才能だけでなく

彼が「植物を詳しく観察し、学んだからでは」と述べられています。

 

その一つの例えとして外尾さんが挙げられたのがシャクナゲです。

シャクナゲは1本の茎から3方向に葉を出し、その次の葉は方向がずれて重ならないように生え、

水脈の断面を切ると「3角形が6角形に変化していたりする」

そう。

 

自分の家の庭に生えているシャクナゲを見ると確かに、葉が重ならないように生えていました。

 

■ ガウディの言葉

 

ガウディは「私の師は自分のアトリエの庭に生えている木だ。」といったといわれますが、

単に植物を眺めるだけでなく、詳細に観察することは自然の摂理に気づく大きな学びになると

改めて感じます。

 

 また「ガウディの伝言」でも自分が好きで信条にもしているガウディの

「人間はなにも創造しない。発見するだけである。

独創とは、創造の根源に還ることである。」

 

という言葉が紹介さてています。

 

 外尾さんのさらなるご活躍とともに、自分ももっと植物や木から学びたいと思います。

 

 

 

 

Posted by 遠野未来 at 07:29 | ■建築 | comments(0) | -

■ 現代建築で和釘を使う/ Using Japanese nail in contemporary architecture

 

●これから行う建築の外壁の板貼りで自分としてはじめて

「和釘」(わくぎ Japanese nail)を使ってみたいと思います。

 

 和釘は鉄を叩いてつくるということで鍛鉄だそうです。

頭が四角で、叩いているので完全な真っ直ぐではなく抜けにくいとのこと。

 

その存在は知っていましたが、過去のもので

写真のように小さなものがあるとは思っていませんでした。

 

現代建築の中でどう生きるか、楽しみです。

 

Posted by 遠野未来 at 10:33 | ■建築 | comments(0) | -

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