● 先日東京出張の折に所沢にある所沢聖地霊園を訪れました。
この霊園の礼拝堂と納骨堂は今年逝去された早稲田大学名誉教授 池原義郎先生の設計によるもので、追悼の意味を込めて。
この作品は1974年日本建築学会賞を受けられた名作です。早稲田大の建築学科では設計製図のトレースの授業でこの図面を書くのが課題で、自分が学生のときはあのジグザグに配置された納骨室の意味などわかりませんでした。
今更ながら初めて訪れると、納骨堂は大地の中に埋め込まれ外部からは見えず、その天井から色ガラスを通した七色の光が降り注ぐ・・・その佇まいに深い感銘を受けました。
■ 自律する壁の表現
この建築は全てが簡素ながら尋常でない「きめ細かさ」でできていますが、その中で自分が特に惹かれたのは構造体でありながら「やさしさとあたたかさ」をもって自由に展開する「自律した壁」の表現です。
壁が周囲に伸び、曲がり、くり抜かれ、光が入る様子。ガラスや鉄骨、光と取り合う柔らかな曲線・・・それは生命の「よろこび」を表現しているかのようです。
コンクリートでありながら、自分がいま「土」でつくろうとしているものと共通する精神が感じられ、頭が下がりました。
大地と一体となった建築。・・・
その精神をもった建築を、模倣ではなく自分たちの時代にどうつくっていくのか?
と池原先生に問いかけられているように思いました。
その回答をお見せできるよう、志を新たに建築に取り組みたいと思います。
(写真:所沢聖地霊園 礼拝堂・納骨室パンフレットより)
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Posted by 遠野未来 at 15:26 | ■建築 | comments(0) | trackbacks(0)