今日、都内で第2回竹小舞講習会があり、とても有意義な一日だった。
前回二人組で行った小舞掻きを今回は一人でも挑戦したが、強くしばるのがなかなか難しい。全力で はあはあ いいながら藁縄で竹をしばる・・・・しばり方のコツをつかむと徐々に達成感が広がる。最後みんなで組んだ壁が出来た姿を見て、とてもうれしかった。
前回も紹介したとおり、今回の強いほうの小舞のやり方は、かなり手間がかかるが、強度は相当ありそうだ。
間渡し竹に太い割り竹を使い、太い藁縄でがっちりしばる。押してもびくともしない。この工法は、筋交+金物より強いのでは・・・という感じだ。
しかし、通常このやり方で家をつくることは手間がかかり予算的にやられていないとのこと。今回出来た壁の強度実験もするということで、「史上最強の小舞壁」かも。
久住さん曰く、「これだけ強ければ竹でいろんなことが出来る。みんなやらないだけ。法規は最低の基準」・・・
お昼をはさんで、久住さんのスライドレクチャー。
10年ほど前、久住さんが 赤坂のINAXショールームでやられた赤土の版築壁のスライドも。この壁は自分が感銘を受けた壁の一つで、自分が左官に興味を持つきっかけにもなったもの。
数々のスライドで新たな表現を作り出している作品を拝見し「左官は壁を塗っているだけではだめ。新しい表現をする能力=デザイン能力が必要。図面や絵もかけなければいけない」とのことばに納得した。
会場から「しっくいをつくる工程でのCO2排出と、壁に塗ってからのCO2吸収はどちらが大きいのか?」という質問への答えは「ほぼ同じ」とのこと。「つくる過程でCO2排出が減らせることが出来れば、地球環境に対して画期的なしっくいとなる」・・・
講習終了後は、各自名刺交換などの交流。コアな活動をしている人たちの連携でいろんな面白いことが、どんどん起こって欲しい。
久住さんのお言葉「業界だけで仕事がないなんて固まっていないで、もっと社会に左官のことを知ってもらうよう働きかけ、まず自分たちで盛り上げていこう」
と元気付けられた。この方はこれだけの腕をお持ちながら、謙虚で明るく、人間的にも素晴らしい。まさしく親方中の親方である。
自分も設計者としてもっと、土壁や左官・竹のことを追求し、社会に発信していきたいと思う。
今日の内容、左官や土壁にご興味のある方は 左官的塾ホームページを。http://home.p06.itscom.net/sakan/ 筆者の連載「未来日記」もあります。是非ご一読を・・・。