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■土壁ネットワークについて
 ●建築家 大西泰弘さんが代表を務めるNPO 土壁ネットワーク。

http://www.tutikabe-net.jp/contents.html


 香川県を拠点に伝統的な竹小舞と土壁を現代に残そうと、土壁の強度試験を続けられ、土壁づくりの 土壁施工確認チェックシート もつくられています。

 詳しい土壁の作り方や強度の報告書もつくられていますので、ご興味ある方はぜひ上記サイトにアクセスしてみてください。

 

 大西さんは、現在香川県で「土壁による長期優良住宅」を施工中とのことで、その方法を詳しく説明してくださいました。


 「土壁の家」で現代の家の性能をを満たすことが十分可能です。


 今後、皆さんと一緒「現代の土の家」をに考え、つくっていきたいと思います。

Posted by 遠野未来 at 18:32 | ■土の建築・土壁・左官 | comments(0) | trackbacks(0)

■日本の土壁研究の新たな展開  土の強度と粘性
 ●本日、東洋大学で大工塾に参加。自分に取って非常に有意義な会でした。

 というのは講師として現代の日本での土壁研究の一角を担うNPO土壁ネットワークを主宰する建築家 大西泰弘さんが香川から来られて、最新の研究の紹介をされたからです。そのわくわくする内容とは?
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 大工塾を主宰する建築家の丹呉明恭さん、構造家の山辺豊彦さんとの日本の木造と土壁とのやり取りもよかった。

 その中での表題の意味です。左が京土、右が埼玉の荒木田土。
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 日本の土壁の耐力壁としての構造的な強度はこれまで土壁のつくりかた(貫の入れ方、竹小舞の掻きかた、土と藁と水の混ぜかた・・・)などの仕様で決められて来たが、いろいろ実験をしていくと 「土そのものの強度」によって決まる とわかって来た と。

 そんなの当たり前、と思われるかもしれませんが、日本ではこれまでそう思われていなかった・・・と言うと驚くと思います。
日本の木造建築の中で、土壁は耐力壁としてはこれまであまり評価されていませんでした。その状況では土壁に使う土の強度が住宅全体の耐力に大きな影響を与えるという認識が、あまりなかったわけです。

 そして、土の性質は土を構成する物質(粒の大きさによって粘土、シルト、砂、礫)の粒度分布のみで把握されて来た。粒の大きさだけで分類されてきました。
 
 しかし、当然粘土は粘土でもいろいろな粘土があり、それによって粘性が異なります。大きく分けると関西に多い花崗岩系、有機質系、関東の火山灰系など。それらは結晶構造が違う。使う土の種類も考える必要がある。使う土が違ってくれば土壁の耐力が違ってくる という当然のスタートにやっとたどり着いた訳です。
 
 これは、私が今年見て来たカッセル大学のミンケ先生とフランスのCRAterreでは当然の認識として研究が行われているのは私のブログを読んでいただいたいる方ならお分かりだと思います。(粘土の結晶の写真も掲載しましたね・・・) やっと日本の土壁研究も海外と同じ土俵で議論するスタートに立った・・・。と感慨深く感じました。

 今後研究が進めば、現在土壁の一様に定められている壁倍率が、荒木田を使えば○○倍、京土なら○○倍。という、性能規定も出来るかもしれません。
 いや、今そうしていかないと「土の家」が日本からなくなってしまう。大西さん方はそう危惧し、今年、日本各地の土壁に使われる土を採取して、土の性質と強度の分析を行っています。

 会の最後に構造の山辺さんが言われていました。「土壁は使う土によって強度のばらつきがあるので、耐力強度が弱く設定されている。」と。
 使う土の種類と耐力の関係がもっとはっきりしてくれば、日本の土の建築にとって新たな展開が生まれる・・・・ そう、わくわくした勉強会でした。ちなみにもう一つ伝統工法のグループも同じく土の耐力試験をしているとのこと。

 大西さん方の研究結果、楽しみに待ちましょう。
来年学会で発表予定とのことです。

Posted by 遠野未来 at 21:25 | ■土の建築・土壁・左官 | comments(0) | trackbacks(0)

■版築の和
 ●今回のロケットストーブの版築づくりの様子
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 土を機械式のふるいで振るう。これがあるととても便利
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 ミキサーで土と生石灰を混ぜる
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 生石灰の量は土+砂の2.5%にした。版築には生石灰、消石灰どちらも使われているが、今回は土が湿っていて水分を飛ばすこともあり、生石灰を使った。手に入った農業用の粒状の生石灰。ミキサーで20〜30分混ぜると土の水分と反応して粒が溶ける。
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 手で混ぜてもなかなか粒が溶けない。
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 粘土に砂を混ぜて出来上がり
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 各種用意された突き棒
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 型枠を囲んで
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 各自のペースでああでもない、こうでもないと言いながら作業しているうちにみんなが打ち解けてゆく
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 型枠を外すときの達成感。今回つくった畳を使った方のロケットストーブは、様子が見たくて版築が乾かないうちに脱型。型枠が動いて少し割れたが、それも味。

 今回参加された皆さんも版築もいい味を出していました・・・お疲れ様でした。

Posted by 遠野未来 at 21:40 | ■土の建築・土壁・左官 | comments(0) | trackbacks(0)

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