Posted by 遠野未来 at 05:01 | ■土の建築・土壁・左官 | comments(0) | trackbacks(0)
それは太陽光を単なる「光」と考えず、「熱」として有効利用する考え方です。「パッシブデザイン」というのはその他、風の流れなども含めた自然エネルギーを活用する考え方で、これからの時代に冷暖房負荷を減らすために有効で、これからの日本で取り入れられてゆくことが望まれます。
広島は国土交通省の断熱区分では比較的温暖な鶤地域、一部で鶚地域です。
開口部に当たる日射量は方位によって異なり、夏期日射所得係数(μ値)を計算するときに用いられる「方位係数」に準じます。鶤地域の場合東・西 0.45、南0.39,東南・南西0.45,北0.24,北東・北西0.34。
(鶚地域の場合もこれに準じます)
数値が大きいほど日射が入るという意味ですので、実は南より東・西・南東・南西の方が日射が多いということがわかります。
遮蔽上はその面の開口部を小さくすることが有利です。あるいは遮蔽効果の高いブラインドなども有効です。
一方、日射熱を利用の観点からは、特に冬に窓から取り入れた熱を熱容量の大きい土壁やタイル、土間等に蓄熱させ、外に逃さず室温の温度変化を穏やかにし、冬でも部屋を暖かくする工夫が考えられます。
この考えでは集熱効果がある開口部は真南±30度が条件となっています。更に効果的な範囲は真南±15度です。
以上をまとめると、建物を真南から角度をつけると南東・南西に面する開口部が大きく「夏熱く」なり、建物が東西に長いほうが南面開口部からの日射量が増えるため、暖房負荷が小さくなり「冬暖かく」なります。
現在の計画のお住まいは東西に長い長方形ということですので、できるだけ真南から振らないほうがいいでしょう。
また、東からの日を入れるのは、東側に寝室を持ってきてさほど大きくない開口を設けるといいと思います。リビングは南に面しているようですので、計画通り大きな開口を取り、あとは地域の風の向きを考慮した通風を考慮されるといいでしょう。ダイニング・キッチンの北側、吹抜けなどがあれば上方など。
以上の考え方は、開口部の断熱性と建物の一定の気密性が確保されていることが条件なので、工務店さんとコストを含めてご相談されるといいと思います。
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以下の私の事例が、ご参考になれば幸いです。
私は土壁の蓄熱性と調湿性に注目し、デザイン的にも現代住宅に似合うかたちでの活用を提案しています。
土壁も様々な方法がありますが、コスト的に合わせたやり方で例えば100万円程度のアップで、健康を含めた本当に心地よい空間が作れます。長期にわたる冷暖房コストを考えると、十分費用対効果があるものです。わからないことが有りましたら、お気軽にご相談ください。
Posted by 遠野未来 at 19:43 | ■土の建築・土壁・左官 | comments(0) | trackbacks(0)
Posted by 遠野未来 at 11:22 | ■土の建築・土壁・左官 | comments(0) | trackbacks(0)