●ものつくり大、日本建築専門学校と共同で行なっている版築壁の研究を9/13日本建築学会の全国大会で発表しました。
この研究は成果を自分たちで独占するものではありません。
全く逆で、版築を切り口に日本における土の建築を誰でもどこでも使えるようにすることを最終目的とし、成果を共有することを目指しています。
マニュアルをつくり、被災地でも誰でもセルフビルドできるような「土の建築」。
去年の研究と実験結果では版築の耐力壁としての性能など、興味深い結果が出ましたが、まだまだ研究は始まったばかりで、参加者の中で様々な意見や今後やりたいこと・・・など議論が続いています。
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去年の結果を振り返り、自分としては
・版築の配合に関して、実験結果では重量比で粘土:砂=1:0.5が一番圧縮強度が出るという結果が出てそれに基づいて耐力壁の実大試験をしたが、現場や既往研究では砂を粘土の2倍位入れることが多く、現場と違うこと。
・粘土分が多いので実大試験では収縮が大きかったこと。(2.7mに対し2cmほど収縮)
・版築だけの施工期間は乾燥期間を入れると竹小舞土壁より短いという結果になったものの、木造と組み合わせて使う場合、通常の施工では版築のあとに桁を載せる工程にすると全体の工期はむしろ大きくなること
・・・
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などが次の課題です。
最終の本丸は日本で版築だけの構造は可能か? ですが・・・基礎研究を踏まえてからでないと、一足飛びにはそこまで行けなそうです。
にがりを入れるとなぜ強度が増すのか? 反応の化学式もまだわかっていないそう。
いずれにせよ、今年は引き続き強度の要因の検討と共に温熱実験を行う予定。
来年は耐力壁ジャパンカップに出るという構想も・・・
皆さんと、楽しんでいろんなことを試しながら何年間か研究を続けたいと思います。
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概要はこちらです。いろいろな、ご意見お聞かせいただければありがたいです。
どうぞよろしくお願いします。