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■フランス式版築 突固めの方法/ Rammed Earth in France  Ramming

●引き続き、版築ワークワークショップの「突固め」についてご紹介します。

 

 版築のづくりの大きなポイントです。

 

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■型枠への土の入れ方

 

 まず、土の入れ方型枠への土の入れ方ですが、フランスで使われている土は砂利が多く入っていることもあり、入れ方にコツがあります。

 型枠に入れた土の写真を見ると、粒の大きな砂利が中央に寄っているのがわかると思いますが、自然にそうなったのではなく、土を型枠に入れるときにバケツに入れた土を

 

 「型枠にぶつけるようにして入れる。」

 

のがコツです。

 

 そうすると、型枠に中の砂利が当たり、はね返って内側に寄るというわけです。

 

そして、コーナー部分にはあらかじめ分けてつくっていた

 

「大きな砂利が入っていない土」

 

を使います。

 

 

■入れる土の量の目印

 

  ここでは土を入れるときだけ鉄筋にマークをしたものを使っていました。

 

 これは我々も俗に「馬鹿棒」といって棒に何センチ土を入れ、何センチまで圧縮するかを木の棒にマークして目印にして使います。土を入れるときだけ目印に使うのは、経験豊富な場合、手加減で土が突固まったかが把握でき、いちいち寸法を図る必要がないからでしょう。

 

■突固めの強度・・・ 強く突くのか?弱く突くのか?

 

 細かく回数を突くのではなく、「上からゆっくりと均一の力で」突く。

 

これは興味があるところでしたが、先生のマルタンさんは意外と強く突いていました。

ただし、力まかせではなく 息を吐くタイミングでゆっくりと上から突き棒をやや反動をつけて落としていました。そして大切なのは、均一のちからで少しづつ移動しながら突くこと。

 

 

■突固めの順番

 

型枠の外側から一定方向に移動しながら、順を追って内側に。

 

ここは重要で、どこからでも突いてのいいのではなく、外から少しづつ右か左に移動し、徐々に内側を突いていくように。

 

途中でやめず、必ず一周して区切りにすること。

 

こうする事により、今どのくらいその土が固まっているかを把握できる。

 

 また、型枠の中に人が入れる幅があるときは土を入れたあと、最初に

 

 足で体重をかけて土を外側から内側に順に「踏みならす」

 

ことも行っていました。

 

■突固めの時間と回数

 

 土により異なるとは思いますが、今回ワークショップということもあるかもしれませんが、意外に少なく、上の手順で3〜4周して終了でした。時間にして10分も経たないほど。

 

 ある程度粘性と水分もあるので、突き棒の跡が土に着く感じで、すぐ土が締まりました。

 

・・・ これは自分たちが水分と粘土分と砂利が少ない「粉っぽい」土をできるだけ時間を掛け、1層30分ほど掛けてこれ以上下がらないほど突き固めるのとかなり様子が違いました。

 

 最初に「土の粒子にかかる力の流れ」の説明があったように、必要以上土を突き固めても

上からの力が横に分散し、突き固まらない。

 

という原理を頭に入れておくのが大切だと実感しました。

 

 ・・・・

 

 以上が、版築のポイントとなる突固めについてです。

 

次回は脱型についてご紹介します。

 

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Posted by 遠野未来 at 22:42 | ■土の建築・土壁・左官 | comments(0) | trackbacks(0)

■フランス式版築 突き棒・・・/ Rammed Earth in France Tamper

●フランスのワークショップで使った突き棒(Tamper)です。

大から小まで、木と鉄4種類を使いました。

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 小さなものはコーナー用ということではなく、突き固めが進む順に大→小と小さくしていくとのことです。

 

  自分は最初に大きなものを使う以外は、場所によってコーナーに小さなものを使う程度の使い分けでしたが、

ここでは10cm入れた突固めの土の層の中で、

 

最初は木でできた大きなもの、次に鉄の小さな重いもの、最後は木の小さなもの・・・としています。

 

ちなみに最初に使う木の突き棒は、意外と軽いものでした。

 

 次に土の突固めの手順をご紹介しますが、土を型枠に入れるときもコツがあり、勉強になりました・・。

 

 

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Posted by 遠野未来 at 22:49 | ■土の建築・土壁・左官 | comments(0) | trackbacks(0)

■土の建築祭2019  版築のつくり方 / Rammed Earth  principle2 in France

●版築の 物理的原理を頭に入れていただいた上で、実際の作業の紹介に入りたいと思います。

 

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今回のワークショップで版築のご指導いただいたのはMartin Pointet(マルタン・ポワンテ)さん。

版築に対する明快な説明と自信に感銘を受けました。

ご自分でBETerreという土建築の設計・工事の会社を仲間と運営されており、お住まいも古い版築の建物をリノベーション工事中で、そちらもいずれご紹介させていただきたいと思います。

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●版築の三要素

 

まず版築をつくるとき、大事な三要素はなにか? ということですが、彼によると

 

・1 Form   ・・・型枠

・2 Earth   ・・・土

・3 Technique ・・・突固め

 

ということになります。

土の粒度や含水率については以前もお伝えしましたが、版築で大事なのは1つの壁をつくるときに

 

・Same Earth ・・・同じ土

・Same Humidity・・・同じ含水率

・Same Composition・・・同じ層

 

をつくることが大切だということです。

 

 版築をつくるときに意匠的な理由から、各層で違う色の土を使ったり、層の厚みを変えたりする場合がありますが、それは基本があっての話・・・ということになります。

 

 含水率は5〜15%と土によって異なるが、大事なのはつくるときに同じ含水率を保つこと、とのこと。

 

突固めに入れる土は10〜20cm。最大でも20cm以下にし、10cmなら10cm,15cmなら15cmと入れる量を決め、同じ厚みでつくることが大切ということです。

 

写真は、今回使った型枠と型枠に入れた土の様子です。

 

・・・次回は突固めについてご紹介させていただきます。

 

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Posted by 遠野未来 at 16:33 | ■土の建築・土壁・左官 | comments(0) | trackbacks(0)

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