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葦狩り体験
葦

葦狩り


 昨日・今日と宮城県・新北上川で行われた「葦狩り」体験に行ってきた。

 地元の葦(ヨシ)を使って茅葺工事を行っている有限会社「熊谷産業」の指導の下、仙台の市民団体「たけのこ炭の子クラブ」、NPO「民家再生リサイクル協会」の主催で行われ、70人近い参加者があった。
 私も葦(ヨシ)の現代建築における活用に非常に興味があり、参加させていただいた。

 参加して感じたのは、この会が毎回盛況に続いているのは葦狩りへの興味もさることながら、熊谷産業の熊谷秋雄常務をはじめ、地元の建築家や職人さん方の人間的魅力が大きいこと。 地方の小さな町でも、こんな豊かな産業・風景・素材そして人がいる・・・それを知っただけでも勇気付けれた。

 陽を浴び、風でなびく葦原の風景・・・とにかく美しい。
風で揺れる葦の穂の音が「日本の音風景」の百選に選ばれているという。

 自分にとっての本題の葦の現代建築における活用だが、熊谷さんに「南アフリカに茅葺の空港がある」と聞き、信じられなかったが、今回夜の交流会でその写真を他のアフリカの風景と共に見せていただいて、納得しとても感動した。

 現在日本では市街地に不燃材でない茅葺の家は建てられない。熊谷さんは石巻の地元でまず法規制を解除し、現代でも通用する見本としてアピールすべきだと市に掛け合い、一部解除してもらった。今度は自分が茅葺の建物を建てる番だと意気込む。

 現代のヨーロッパでは市街地にも茅葺の家が建てられており、茅葺職人の地位も高いという。デザイン的にも現代的で美しいものが多く、屋根だけでなく壁としても使われる例もある。・・・・日本でもヨシ壁のおしゃれなカフェなんかが出来たら楽しい・・・・

 自分もそんな夢をみんなと持ち続け、いろんな提案をしていきたい。







Posted by 遠野未来 at 22:46 | ■設計・現場 | comments(2) | trackbacks(0)

K幼稚園ビオトープ
ビオトープ

 今都内の幼稚園のビオトープ計画をおこなっている。ビオトープとは生き物たちの「命の場」ということで、地域の虫・植物などのもともとの生態系を復元を目指すものである。

 そこは下町の密集住宅地でありながら、大きな日本庭園を買い取り、自然園としてこどもたちの遊び場と環境教育の場に使っている非常に恵まれた園である。もともとあった日本庭園の池を利用して、環境教育の場としてもっと充実させたいと、2年ほど前からディスカッションを園と重ね、ソフトのプログラムも含めて工事に実現性が出てきた。出来れば今度の春休みに工事し、三年ほどかけて子供たちとそこに来たいきものや育った植物の記録をとりながら、場を育ててゆく計画である。ひとえに、自然が好きで、こういう場を臨まれる先生方のご協力があってはじめて成り立つことだ。

 現在庭園の中での場所来るであろう生き物と育てる植物の内容が決まり、池の作りかた、水の循環方式と共に工事内容をつめているところ。
 今後春休みに向け、経過をUPしていきたいと思う。

Posted by 遠野未来 at 00:19 | ■設計・現場 | comments(0) | trackbacks(0)

竹の間
竹の間1


竹の間2

 あるデザインコンペに応募した。

 古い民家を移築した宿泊施設のインテリアの提案である。
自分なりに検討し、木造の木組みを見せ、間仕切り・建具を全て「竹小舞」でつくる「竹小舞の間」 を提案した。

 「竹小舞」とは日本の土壁の下地のつくり方で、割り竹を数センチの間隔をあけて、縄でしばった竹の格子のことで、以前からこれを仕上にした空間をつくれないかと考えていた。中央に土としっくいによる暖炉を置き、その周りを間接照明が組み込まれた竹の「光格子」で囲む「竹の間」。

 竹の小舞も縦横の空きをランダムにし、それを何重にも重ねて表情を作り、デザインとして現代的な洗練された空間を目指す。部分的に土壁で仕上げてもいい。

 今回の結果はこれからだか、いろいろな場に応用できると思う。




Posted by 遠野未来 at 04:45 | ■土の建築・土壁・左官 | comments(0) | trackbacks(0)

こどもはなぜかわいいのだろう?
のはら園ビオトープ

 今の自分にとって最大の問いの一つだ。

 答えは人それぞれちがうだろうし、男女でも意識が違うだろう。だが、人間だけでなく生き物はみなそう思うのではないか?育児のストレスなど特殊な状況にあるとき以外は。 
 本当にこどもはみんなかわいい。自分の子以外でもみんなかわいい。

 それは、やはり人間の「いのち」の大切さを感じるからだろう。守ってあげなければ死んでしまう存在・・・建築家としてこどもの場の設計をするとき、改めて自分の仕事は「人のいのちを守ること」だと感じる。万が一の事故を起こさない安全性が大前提である。

 尊敬する方に堂園晴彦先生という鹿児島のガン医の先生がおられる。建築にも造詣が深く、こどもと環境保育に非常に熱心な先生で、ご自分でホスピスを運営し、保育園・幼稚園の理事長もやられている。先生の文章で「今の地球環境のことを変えてゆくには、大人でなくこどもから変えてゆくほうが早い」と書かれていたのを読み、とても共感したのを覚えている。
 
 以前先生の運営されている保育園でビオトープと水遊びの池を設計させていただく機会があったが、そのお人柄に触れ、いろいろなお話をうかがって以来、自分の中でこどもと環境のことを本格的に考えるきっかけになった恩人である。

 自分のライフワークとして、今後もっと「自然素材とこどもの場」に関わっていきたい。建築や自然素材とこどもの場に関し、勉強会や意見交換のインターネット上でのフォーラムを立ち上げようと思っている。ご興味ある方は、年齢・性別を問わないので、お気軽に是非御連絡をいただきたいと思う。 

最初の問に対するいろいろな答えを皆さんからお聞きしたい。是非いろいろなご意見をお寄せください。

Posted by 遠野未来 at 21:07 | ■こどもの家 | comments(0) | trackbacks(0)

カンガルー・ポケット3
内部模型

 大阪のカンガルー・ポケットのギャラリー工事が進行中だ。先日のアーチドアがどうなるかと気をもんだが、何とかつくってもらえそうで、ほっとしている。今かわいいドア枠も取り付き、あとはドアを待つのみ。お楽しみに。

 写真は内部バー部分最終イメージ模型。土入りしっくいの曲面の壁と細い女竹による間仕切り。お店が軌道に乗って、近い将来できることを願っている。

Posted by 遠野未来 at 16:43 | - | comments(0) | trackbacks(0)

左官について
左官

 「左官」とは日本建築で壁や土塀、土壁、漆喰などを塗って仕上げる職人のこと。
日本建築は古来、土壁と左官なしでは成り立たなかった。しかし、近代化の波で、乾くのに時間がかかる、仕上がり具合が読めない、現場が汚れる、コストがかかる・・・などの理由で敬遠されるようになり、職人の数も減った。しかし、エコロジーやシックハウス対策・・・などによる近年の自然素材の再評価と共に見直されている。色も仕上も自由でつくっている過程も楽しい。これはやってみた人にしかわからない。

 そんな矢先、去年の秋に40年にわたった左官専門誌「左官教室」が休刊となり、読者を驚かせた。経営自体が厳しかったことは想像に難くない。私の作品も何度も取り上げていただき、非常に感謝している。
 
 ビルの中の土壁の家であった私の自宅「神田SU」はいくつかの賞もいただき、TVにも出させていただいたが、編集長だった小林澄夫さんが気に入ってくださり、「左官教室」で取り上げていただいたことが、実は一番嬉しかった。左官を本格的にやられている方が見れば、「神田SU」のように鉄筋と土壁を組み合わせた空間など「邪道だ」と思われるのではと思っていたからで、「自由につくっていいんだ。」とほっとしたのを覚えている。

 さて、その「左官教室」の休刊以後の動きとして、昨年秋に左官職人の方々が中心となりウエブサイト「左官的塾」が立ち上げられ、そしてこの春小林さんを編集長に迎えた新雑誌「さかん」が4月に創刊される。どちらも左官再評価の流れを断ち切ってはいけないという使命感で作られたものだ。

 ウェブサイト「左官的塾」には私のページをいただいているのでご興味ある方はご参照いただければありがたいが、今度は「さかん」にスタートの言葉を寄せることになっている。

 心と身体に優しく、呼吸し、生きている壁・・・「左官」の良さを皆さんに知っていただくよう、今後も実例を作ってアピールしていきたい。

 写真は左官教室の表紙になった「珪藻土のたまご」(2006.2月号)

Posted by 遠野未来 at 00:05 | ■土の建築・土壁・左官 | comments(0) | trackbacks(0)

木造伝統工法
木造の剛性


 今日は日本建築学会主宰の「木質構造の設計」セミナーにいってきた。

 建築基準法は近年毎年のように改正されているが、設計者もデザインはもちろん制度の面でも常に新しい動きに敏感でないと生き残っていけない。特に耐震偽装以来 建築家や構造設計者のモラルやあり方が問われることになり、ご承知の通り昨年大きく確認申請の手続きが変った。なかなか確認申請が下りず、構造不況といわれるほどである。設計事務所をたたんだ方も多いと聞く。
 
 現在木造の工法は7種類とかなりバリエーションがふえており、法規を満たせば4階以上や大規模建築も可能である。その中でも「木造在来工法」と「伝統工法」の項目がやはり一番興味深く、特に木造伝統工法の実験による構造的解析が、かなり充実してきているのが嬉しかった。

 今一般的につくられている柱・梁・筋交・金物による木造住宅は「在来工法」といわれここ数十年の歴史しかない。それに対し古来日本の民家や社寺で使われていた柱・梁・貫・土壁・板壁による木造が「伝統工法」といわれ、筋交や金物を使わず、木組みと土壁や板壁で持たせる工法である。

 表で示した、建物の経年と固有周期を調べると、木造工法の変化でここ数十年で建物が約4倍の剛性をもつようになっているという。(固有周期が短いほど揺れにくい。)現在の木造住宅は地震に対し、金物の強度で「剛」につくるやり方で、木造ではなく「金物造」だと思うこともある。

 それに対し、「柔」なのが、「伝統工法」で、構造家の増田一真先生方がそれを現代に生かそうと金物を使わない「新伝統工法」を唱えており、非常に魅力的な実例をつくられている。在来工法をさして「木造は壁で持っている」と教わったが、全く壁なしでも構造的に成り立つという。使う材木の量は増え、コストも何割かは上がるがその分、代々にわたって長く住みつづける家が出来る。

 日本の風土に合った現代的でやわらかな家・・・自分もこの工法をもっと勉強し、現代に生かしたいと思っている。


Posted by 遠野未来 at 22:36 | ■設計・現場 | comments(0) | trackbacks(0)

アーチ型ドア
アーチ・ドア

枠詳細図

オートヒンジ

大阪のギャラリーの現場が進行中。
予算の都合で土壁が2期工事となり、今回メインになるのは入口のアーチ型のドアである。

 いろいろ調べてみるとアーチ型ドアに付けるドアクローザー(自動閉器)はオートヒンジという丁番とドアクローザーが一体となったものしかないと分かった。
径が32φとやや大きいが、見た目をすっきりさせるため、それをドア枠より前に出さずに収めるには、枠と戸あたりの形状を工夫する必要がある。
今その納まり図を原寸で検討し、現場とやり取りをしているところ。

 出来たらいい感じになると思う。現場棟梁のTさん、よろしくお願いします。

Posted by 遠野未来 at 05:45 | ■設計・現場 | comments(0) | trackbacks(0)

アーバン・エコロジー2
 昨日に引き続き「エコロジーのかたち」を読む。

 前近代的な素朴で回顧的な草の根の手づくり建築 と 超近代的に完全にコントロールされた人工物としての建築術・・・・そのどちらでも現代に対応した「美しい環境建築」とはならない。

 そのどちらでもない現代のアーバン・エコロジーとは?・・・著者によればそれはその二つを含んだ「インターフェイス」(境界面、調和)の美学だという。
モダニズムを発展的に継承し、「自然のプロセスや住民が手を加えることで生じる変化を受け入れて、建物が完成した後も時間と共に変化してゆく建築を美しいとする美学」(訳者)である。

 これはつまり、その土地の地霊を敬いながら、その場所・人・技術・・・すべてをつないで、建築としてその場に一つのいのちを与える という自分が理想とする建築だと思う。 

 建売住宅の部品をエコ住宅の部品に変えたところで、カタログから部品を選んでお手軽に作るようなつくり方では、真の環境共生住宅にはならない。部分である優秀な部品をいくら集めても、それらが有機的につながった 「全体」 がなければ「いのち」のある建築とはならないと思う。家をつくるにはその土地のすべてをつなぐ 「物語」 が必要で、それがあって初めて建築が美しくなれるのだ。もちろんデザインも洗練されていなければならない。
 
 建主さんが主役になれる家作り。アメリカの藁の家作りで有名なビル・スティーン氏が言うように、建主さんが主体的に家作りのプロセスに参加して初めて HouseがHomeになるのだ。
 
 現代のエコロジーを表現した、美しい建築を自分も目指していきたい。

 

Posted by 遠野未来 at 22:54 | ■設計・現場 | comments(0) | trackbacks(0)

アーバン・エコロジー・・・二項対立を超えて
アーバン・エコロジー・・・2項対立をこえて


 今「エコロジーのかたち」持続可能なデザインへの北欧的哲学(クラウス・べック=ダニエルセン著) という本を読んでいる。

 この本の主題はずばり「エコロジーの美学」。これまでエコロジーは美学がない前近代的表現か環境問題をテクノロジーで解決しようとする超近代的表現かそのどちらかしかなかった。その二つをつなぐ美学はあるのか?美しいエコロジー建築は可能なのか?

 ・・・このテーマは自分にとっての大テーマ言えるもので、なぜ環境を考えた建築が「美しくない」のか?「美しく」あろうとしないのか?常々疑問だった。
みんなが「美しい」と思ったものだけが次の世代に残ると思う。この本を読み進むのに合わせ、このテーマで思うところを今後書いて行きたいと思う。

Posted by 遠野未来 at 01:36 | ■設計・現場 | comments(0) | trackbacks(0)

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